ニッカー絵具

AMBASSADOR
ARTIST

傍嶋 賢
ソバジマ ケン
■経歴
1979年 千葉県出身
2003年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2005年 東京藝術大学大学院壁画第一研究室 修了

JR東日本、自治体、東京芸術大学との共同プロジェクトなど精力的に活動。
常磐線の待合室のデザインラッピング、荒川区のJR高架下の巨大壁画や、取手競輪場でのアートイベントの企画デザインを実施。プロジェクトの傍ら、自身の作品を展示販売する個展も開催。昨今は渋谷区を中心に一般社団法人CLEAN&ARTを立ち上げ壁画事業と並行し街の美化活動を精力的に活動中。父は美術の教員、四兄弟の三男で兄弟全員が美術一家。 小学校5年生まで家にTVがない中で育ったため、メディアを享受することなく生み出すものという環境で幼少期は漫画ばかり描いていた。

全く絵を描かなかった藝大時代
今や常磐線沿線を中心に壁画アーティストとしての地位を築いてる印象です。
アーティストと地域によるプロジェクトが注目されているなか、傍嶋さんは何を心掛けて継続的に作品を制作、
受注していますか?

基本的に自治体などは資金源が税金でエンドユーザーはその地域に住んでる人です。いわばパブリックアート。
自分が描きたいものを描くというより、公共空間にふさわしいもの、そのエリアのマインドに沿ったものにします。
その地域にゆかりのある、人物や植物など。
昔は自分の好きなものを提案してたが、今はこちらからその地場のものを調べてこちらから提案しています。
自分の描きたいものは自分のお金で、人が求めるものはそのニーズに合うものを表現します。
個展でその時の好きなもの・描きたいものをを制作してもあんまり売れない。(笑)
描きたいものは売りたいのだけど、売れなくても描きたい絵で消化します。

自治体等との仕事のきっかけはボランティア活動からです。
地域に根差したクリーン活動などに協力しながら傍嶋賢という人となりを知ってもらう=作品からでなく自分自身を売り込む。

※全長40mの巨大壁画 2012年制作 東京都荒川区東日暮里

大学時代は油画専攻だと、油絵具中心でたまにアクリル絵具を使用されてたのですか?

油絵具は乾きが遅いので作業効率優先でアクリル絵具ばかり使用してました。
ただ、藝大受験の時に油絵具のみの使用になったため、受験対策として油絵具を使用してました。

でも大学ではかなり絵を描いてたのでしょう?

学生時代は絵をほとんど描かず、アルバイトとバイクばかりの毎日。
僕ほど絵を描かなかった藝大大生も珍しいと思います。

予備校時代に受験対策という名のもと課題を与え続けられる。
いざ大学入ると、課題を探さなくてはならない、いつもリンゴが置いてある環境からリンゴを探すことになった。
大学院研究室の教授・中村政人氏から社会との接点をもって芸術家が生きてゆくという考え方に目からウロコだった。
まずは『パソコンを買え』、『書類はPDFにして』、『企画立案して補助金をもらう』、など絵を描くことよりマネジメントを学んだ。
それらが今の人生に生きてますね。

特にニッカーの絵具は”黒”が”黒”なんです
ニッカーブランドとは大学院の壁画研究での出会いからですが、それ以前はアクリル絵具のブランドにこだわってたんでしょうか?

学生時代はリキテックスです。
特に理由はなく、なんとなく響きや見た目がカッコよかったから。イメージで選んでました。
またひとつ決めるとずっとそれを使い続けるという性格もありますね。
ちなみに油絵具はマツダ油絵具一択です。

アクリックガッシュはアクリル絵具と違い、厚塗りに適さないし、マットで不透明という反対の性質をもってることに違和感などはなかったのですか?

初めて使った時に普通のアクリル絵具はビニールっぽい仕上がりだけどそれとは全然違う色味で、当時デザイナースカラーも愛用していたので、多分、色自体に感動したんでしょうね。
こう水分が抜けて粉っぽくマットに見えるというのが今までにないという印象でした。

ソバケンの作品には欠かせない黒い太い線が印象的です。

黒は一番、というかもうニッカー以外は使えないですね。
特にニッカーの絵具は黒が黒なんですよ。ブラックホールです。
吸い込まれるほどの黒です。

以前に一度、絵具を切らして急ぎで他社の黒を使ったんですが、まぁヌルいんですよ、グレーっぽいというか、透明感がでるというか、ダメですね。
ニッカーは粉!粉なんですよ、ザラザラしてる感がでて。
その分、総じて各色が鮮明で強い。
だから僕の絵をはじめてみた人の中には日本画で描いてると思った人も多いんです。
僕の絵は下地に全部黒を塗るんですよ。一面です、一面。
それでも他の色の隠蔽力(下の色を隠す力)が強く、その『真っ黒』の上に描いても色が透けないんです。

ここまで聞いているとニッカーのアクリックガッシュは『濃厚』で『ムキだしの顔料』、『ザラザラしてる感』といったワードから塗りづらそうとかノビが悪そうと連想しますが。

作業性からだと粘度で言えば他メーカーの方が描き易いですね。メディウムとかの関係でしょうが、色を犠牲にするか塗り易さを犠牲にするか。

確かに、他メーカーさんと比べるとウチは粘度も高いし、塗り易くはないと感じるかもしれません。
その分、絵具を発色を優先するというのはニッカーの絵具作りの哲学に根付いてます。他にどんな特徴がありますか?

ウルトラマリンとかバイオレットとか暗めの濃い色は使う時ドキドキします。
一日たたない(完全に乾かないと)と本当の色がでないんです。全然違いますかね。
他メーカーは同じような色もメディウムで調整しているのか、ほぼ変わらないんですよ。
だからこのあたりの色を塗るときはカラーチャートを信じて勇気を振り絞って塗りますね(笑)

ニッカーは体質顔料や調整する材料を極力入れない配合です。
その性質を体感的に理解されてますね。しかし人を選びますね(笑)

そう、人を選ぶ絵具ですね(笑)

ソバケンさんの絵はきれいな画面が多いからあまり混色してない印象を受けます。

はい、混色してないです。ほぼしてないです。僕、混色きらいなんです。忘れちゃうから(笑)
僕は出たままの色を信じるタイプですね。
だから僕の絵の多くはニッカーの色見本です。混ぜちゃうとどんな色でも鈍くなるし。
でもそのまま純粋な顔料の色っていうのはニッカーじゃないとでないんじゃないですか。

最後に今後の活動について教えてください。

自分の等身に合った形でステップアップしていきたいです。
現在、絵画、壁画、デザイン、アートイベント企画運営など幅広く活動しています。
壁画制作をしながら、社会活動として落書き消しの活動も行なっております。
多面的なアートを使ったアプローチで実社会で役に立てる人材になりたいですね。
大きい夢としては、40代には東京に拠点を置いて活動しながらパリ・ロンドン、NYにも拠点を置きたいと思ってます。

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